2025.7.1
re:tsumugiの設計作法
日々のこと
私たちは、空間の質にこだわり、住むほどに愛着が増す住まいづくりを大切にしています。
しかし、マンションの間取りは万人受けすることを目的としているため、収納が不足していたり、家事動線への配慮がなされていなかったりします。
また、コンクリート造ならではの寒さや結露など、温熱環境の悩みを抱えてらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
そうした悩みや不便さをひとつずつ解決しながら、マンションならではの良さを活かし、快適で心落ち着く空間をつくる。そんなre:tsumugi(リツムギ)の設計作法をご紹介します。
素材の質感を活かす
無垢の床を素足で歩いたときの感触、漆喰の壁が呼吸するような空気感。写真では伝わらない魅力があり、自然素材だからこそ暮らすほどに愛着が深まります。
便利で手入れのしやすい化学製品が多く使われる現代の住まいですが、どこか画一的な印象になりがちです。私たちは、素材本来の風合いや質感を大切にしながら、そこにしかない個性を持った住まいをつくりたいと考えています。

マンションの特性を活かす
マンションはきちんとメンテナンスがなされれば100年以上強度を保つと言われています。
構造の強さがあるからこそ、自由度の高い間取りが実現できます。戸建てでは構造上どうしても抜けない柱や梁が間取りの制限となりますが、マンションの場合はどのような間取りにしても構造が弱くなることはありません。「暮らしに合わせて空間をつくる」。そんな家づくりができるのが大きな魅力です。
温熱環境を整える
コンクリート造のマンションには、構造体がもつ“蓄熱性”ゆえの冷えやすさや結露といった悩みがあります。だからこそ、素材選びや断熱計画はとても大切です。
外周面は適切な断熱補強を行い、熱を伝えにくい無垢の床、調湿性のある漆喰の壁を採用する。こうした断熱計画や自然素材が、住まいの体感温度や湿度を優しく整え、快適な空間をつくってくれます。
シンプルであることの豊かさ
住まいは「機能を詰め込むこと」で快適になるとは限りません。私たちは、必要なものを見極め、過度な機能や無駄なスペースをなくしたシンプルな住まいをつくります。
設備や動線計画も、できるだけシンプルに、暮らしやすさとコストのバランスを丁寧に整えていく。シンプルで素材の質感を感じる空間に本当の豊かさが宿ると考えています。

限りある空間を活かす
ただ通り抜けるだけの廊下や、無理に3LDKを詰め込んだような間取りなど、効率の悪いプランが見られるマンションも少なくありません。
私たちは、限られた空間の中でも、ひとつの場所に複数の役割を持たせることで、空間をより豊かに活用できると考えています。
たとえば、廊下に本棚や収納、洗面台を組み込むことで、「一石二鳥・三鳥」となるようにデザインしていきます。
そうした工夫により空いたスペースを収納やLDKに充てることができ、床面積を最大限に活かす設計が可能になります。
造作家具による暮らしのデザイン
手仕事で仕上げるオーダーメイドの造作家具は、空間にぴったりと馴染み、限られたスペースを最大限に活かします。
既製の置き家具では実現しづらい、暮らしやすさと使い勝手を叶えることができ、建築と一体で計画することで空間に無駄が生まれません。また、床材や壁の色合いと調和させることで、家具がインテリアの一部として自然に溶け込み、空間全体に統一感をもたらします。
