2025.7.7
マンションリノベーションと断熱対策
お役立ちコラム
マンションにお住まいの方からよく聞かれるのが「寒い」というお悩みです。「冬はスリッパが欠かせない」「窓からの冷気が気になる」そんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
re:tsumugi(リツムギ)のマンションリノベーションでは、見た目の美しさだけでなく、住まいの性能、特に“断熱性能”の向上に力を入れています。このコラムでは、マンションが寒くなる理由と、その対策についてご紹介します。
INDEX
マンションが寒い理由
コンクリートの性質
マンションは鉄筋コンクリートでつくられているため、躯体が冷えやすい構造になっています。コンクリートは一度冷えると、なかなか温まらない素材。つまり、外気で冷えた壁や床がじわじわと室内に冷気を伝え、暖房をつけていてもなかなか暖まらない原因になります。
断熱性能不足
高断熱の住宅が標準的になり始めたのはここ最近の話。以前のマンションはそもそも断熱材が入っていなかったり、入っていても薄くて効果が十分でないケースが多く見られます。
さらに、長年の結露で内部の断熱材が傷んでいるということも珍しくありません。
窓・玄関ドアの性能不足
多くのマンションで使用されるアルミ製の窓枠や、シングルガラスのサッシは、外気の熱をダイレクトに伝えてしまいます。玄関ドアも断熱性が低く、そこからも冷気が入り込んできます。
家の中で、もっとも熱の出入りが大きいのは「窓」や「ドア」といった“開口部”。ここが寒さの大きな原因なのです。
合板フローリングの床
マンションでよく使われる合板フローリングは、床コンクリートの冷たさをそのまま伝えやすい素材。特に冬場は、足元から冷えを感じる大きな要因です。
そのため、マンションでは床暖房が使われることが多いですが、床暖房はエネルギーを多く消費するため、光熱費が気になるところでもあります。
マンションリノベーションの断熱対策
断熱補強をする
私たちのリノベーションでは、住戸をスケルトン(躯体コンクリート以外全て除去した状態)まで解体し、断熱材を新たに施工します。
高性能な断熱材を40mm以上の厚みでしっかり入れることで、家全体が「魔法瓶」のような空間になります。これにより冷えにくく暖まりやすい、冬も快適な住まいになります。
また、断熱をしっかり行うことで“体感温度”も高まります。エアコンで部屋の空気が暖まっていても、躯体のコンクリートが冷えていると壁や床からの放射熱で寒さを感じます。断熱がしっかりしていれば、室温が同じでもより暖かく感じることができます。

二重サッシにする
マンションの窓は共用部分にあたるため、基本的にはサッシを交換することはできません。
そこでおすすめなのが、室内側にもう一枚窓を設ける“二重サッシ”です。断熱性が高くなるだけでなく、結露も減らせるので、カビの予防にもつながります。

玄関ホールを小さく仕切る
マンションでは、玄関から長い廊下を通ってリビングに入る間取りが多く見られます。ですが、玄関まわりは外気の影響を受けやすい場所。
そこで、玄関ホールを建具などで小さく仕切ることで、冷気が他の部屋へ流れにくくなり、玄関ドアからの寒さを軽減することができます。

無垢の木の床を使う
合板フローリングとは違い、無垢の木は熱伝導率が低く熱を伝えにくいため、コンクリートの冷たさが足に伝わりません。
特にヒノキや杉といった針葉樹は、木の中に空気を多く含んでおり、あたたかみを感じられます。裸足で歩ける心地よさも魅力です。

まとめ
マンション特有の寒さは、「断熱の強化」や「二重サッシの設置」、「素材や間取りの見直し」といった工夫で、おどろくほど快適に変えることができます。目に見えにくいけれど、住まいの快適さに直結する“断熱”というテーマ。寒さに悩まれている方は、ぜひご相談ください。