2026.9.3

杉・ヒノキの魅力 / マンションでつくる木の家

お役立ちコラム
杉・ヒノキの魅力 / マンションでつくる木の家

素材の本当の価値は、暮らし始めてからこそ分かるものです。
定期点検などでお客様のお住まいを訪ねると、「自然素材の心地よさを実感しています」といった声をいただくことがあります。

そして、私自身も自宅で自然素材の心地よさを日々体感しています。その中でも「本当に採用してよかった」と感じているのが、無垢の床材です。特に、針葉樹である杉やヒノキの床は、見た目だけでは分からない魅力があります。
我が家では、布団を敷かずに子どもと一緒にヒノキの床の上で昼寝することもよくあります。素足で触れたときの柔らかさや、木そのものの心地よさを感じるたびに、豊かな暮らしとはこういうことなのかもしれない、と実感します。

暖かさ・優しい足触り

針葉樹である杉やヒノキは、木の内部にたくさんの空気を含んでいるため、熱を伝えにくいという特徴があります。
そのため、床材として使用すると、床下のコンクリートから伝わってくる冷たさを感じにくく、冬でも素足で過ごしやすい床になります。
また、杉やヒノキの柔らかく、足当たりのやさしい感触は、広葉樹にはない針葉樹ならではの魅力です。

マンションでは、コンクリートの床から伝わる冷たさ、いわゆる「底冷え」を気にされる方も多く、床暖房を検討されることもあります。
しかし、断熱などの条件を適切に整えたうえで、杉やヒノキの無垢床を採用することで、床暖房に頼らなくても快適に過ごせる住まいをつくることができます。

香り

杉とヒノキには、それぞれに豊かな木の香りがあります。
特にヒノキには、フィトンチッドと呼ばれる香り成分が含まれており、森林浴を思わせるような、心を落ち着かせてくれる香りが特徴です。
ヒノキの床材を使うと、家の中に自然と木の香りが広がり、家に帰ったときにも心地よさを感じられる空間になります。

一方、杉の香りはヒノキに比べると、もう少しやさしく穏やかな印象です。杉は古くから日本の家づくりに使われてきた木材なので、その香りのほうが日本人にとっては馴染み深いと感じる方もいるかもしれません。

杉の香りや木の質感については、興味深い研究もあります。マウスを使った実験では、コンクリートで囲まれた空間と杉材で囲まれた空間を比較したところ、杉の空間のほうが滞在する個体数や滞在時間が多かったという結果が報告されています。
木の香りや質感には、私たちが言葉では説明しきれない「心地よさ」があるのかもしれません。

調湿性能

木には、周囲の湿度に応じて水分を吸ったり吐いたりする性質があります。
杉やヒノキは、細胞の中に多くの空隙を持つ構造をしているため、湿気を吸収・放出する調湿性にも優れています。
夏場の湿度が高い時期でも、無垢の木は室内の湿気を吸収してくれるため、素足で歩いたときにも床がさらっと感じられ、心地よく過ごすことができます。

もちろん、木だけですべての湿度をコントロールできるわけではありません。断熱や換気など、住まい全体の性能を整えることが大切です。
そのうえで、木が本来持っている力を暮らしの中に取り入れる。人工的な空調だけに頼るのではなく、自然の力を上手に生かすことも、心地よい住まいづくりの一つだと考えています。

まとめ

洋風のインテリアによく合う広葉樹の床材も、もちろん魅力的です。木目や色合いなど、デザイン性を重視して床材を選ぶことも大切です。
一方で、杉やヒノキには、見た目だけでは分からない魅力があります。
冬に素足で触れたときの暖かさ。
足の裏に伝わる柔らかな感触。
ふとした瞬間に感じる木の香り。
夏に感じる、さらっとした肌触り。
こうした一つひとつの感覚が、毎日の暮らしの心地よさにつながっていきます。

さらに、杉やヒノキは古くから日本国内で使われてきた木材であり、国内で良質な材を安定して調達できることも大きなメリットです。広葉樹に比べて比較的価格を抑えやすく、国産材であることから、輸入材の価格変動の影響を受けにくいという魅力もあります。
床は、毎日足で触れる場所です。だからこそ、見た目だけではなく、触れたときの感覚や香り、温度、そしてその素材と暮らす心地よさまで考えて選んでみてはいかがでしょうか。
マンションリノベーションをお考えの際には、ぜひ一度、杉やヒノキの無垢床に素足で触れて、その心地よさを体感してみてください。